最底辺の生活をしていても、意欲があれば真理は学べる。
エリック・ホッファーは不遇の境遇に育ち、一度は自殺未遂を起こすほど追い詰められた人生を送りますが、最底辺の境遇にありながらも勤労と独学で、沖仲士の哲人と呼ばれるほどの教養を身に付けた人です。彼の自伝は、自分の人生を振り返って、ひとつひとつの出来事や自身の行動がどのような意味を持ったのかを解き明かしたものです。ほんの小さな出来事が大きな意味を持ったり、不遇な境遇が当たり前なので、幸せを感じたときはむしろ不安になってそこから逃避して別の道を探ったり、社会の底辺にいる様々な人との出会いや別れなど、いろいろなエピソードが語られます。
この波乱万丈で上質な自伝を読むと、自分の境遇が何て幸せなのだろうと思います。仕事がなかなか見つからない今の時代は、もしかすると彼の時代よりももっと厳しいかもしれませんが、この自伝を読むと人間として生きる勇気が湧いてくるのを感じます。何度も読み返したい本の一冊だと思います。