「ワンダフル・ライフ」と言っても映画のタイトルではありません。
「ワンダフル・ライフ」というタイトルは、映画や小説などいろいろな作品につけられるタイトルですが、私の好きな「ワンダフル・ライフ」は古生物学者S・J・グールドの著作です。彼は、カンブリア紀の生物を紹介した著作に「素晴らしい」と言う意味と共に「不思議な・驚嘆の」という意味を合せたこのタイトルを付けました。
(本の紹介)
カンブリア紀には様々な形態の生物が進化しましたが、現在の生物は、その中から「偶然」生き延びた生物から進化している。一般に進化という言葉の解釈は「単純なものから複雑なものへ」或いは「より良いものへ」といった肯定的に捉える傾向があります。しかし、生物の進化には「偶然性」が付きもので、カンブリア紀の進化も「たまたま」環境に適合し、生き延びた生物が今に至ったと考えられています。
彼のエッセイは難しい科学の話題を、彼が愛したベースボールの話題等を引き合いに、素人の読者に判り易く解説してくれることで有名です。
ワンダフル・ライフの内容には、その後一部の学者から批判も受けているようですが、彼が「カンブリア紀」を紹介してくれたお陰で、私達の楽しみを広げてくれたと思います。
毎年出版される彼のエッセイを楽しみにしていましたが、残念ながら2002年に亡くなられたということです。
